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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
フォトジャーナリスト
Photojournalist
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ルポ集『東南アジアの人びと』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
フライング営業のスナックで
 ライフワークは東南アジアですが、現地へ取材に行けるのは早くて7月以降と見えて来ました。ということで、それまでは新型コロナ関連で国内取材を続けます。身の回りにマスコミが取り上げないけれど、看過できないことがあれば、是非ご一報ください。どうぞ宜しくご理解ご協力の程お願い申し上げます。
                             * * * * * * * * * * * * * * 

びくびくしながらフライング営業するスナック 「もうあんまり人生に未練ないのよ、私。いつ死んでもいいかなって」。「いやいや、まだ千万馬券あてないと」。幸子(仮名)ママと常連客の昨夜のやりとりだ。
 東京都や大阪府などを除く39県で緊急事態宣言の解除が決まった5月14日の午後8時半、まだ解除されていない県で営業を再開していたスナックがあった。新型コロナのウィルス感染でハイリスクな三密の極みとされているのがスナック。カウンターに鈴なりになってマスクを外して酒を飲み、談笑にカラオケとなれば、互いに飛沫感染は避けられまい。まだ営業も外出も自粛要請が解除されていないので、フライング営業である。
 50代後半の幸子さんは雇われママ。空家賃と使わないカラオケの配信料を払っていた経営者から「そろそろ店を開けようと思うけど、嫌でなかったら、どう?」と11日に連絡が入ったそうだ。昼間はスーパーのパートに行っているママは、子どもは既に独立して一人暮らし。「私、美味しいものとかお酒、大好きなんだけど、昼だけだと家賃と携帯代で消えちゃって…」。経営者は休業補償してくれず、持続化給付金の申請要件は満たせず、びくびくしながらも店を開けることを選んだ。『自粛警察』という新語をよく目にするようになった。個々の事情などは考慮せず、自粛していない人への攻撃が横行するなか、ママはフライングするか否かの判断を委ねられ、矢面に立たされている。
 今の経営者で4代目というこの店は、私鉄の駅前で半世紀以上続いてきた。紛れもなくスナックの草分けと言える。なぜなら、スナックという業態は東京オリンピックが開かれた1964年頃に生まれたから。当時、風俗浄化という観点から酒類提供店の深夜営業への規制が厳しくなった。そこで、酒も出すが「スナック=軽食」の店という口実で規制を逃れるために現れたとのこと。だが、今回は人命が係っているだけに、そんな抜け道もなさそうだ。
 それでも特定警戒県以外では入り口に消毒用アルコールを置きながら営業を続けていたバーもあった。「平熱より高い方と3人以上のグループはお断りします。入店前に必ず手指の消毒をお願いします。間隔を空けている椅子の移動は禁止です。互いに1m以内に近寄らないでください。当面、使い捨ての紙おしぼりを使います」。アルコールの瓶の上に貼られていた遵守事項である。
 全国でコンビニより多く約10万店あるといわれるスナックは、新型コロナの影響で経営が立ち行かなくなり廃業が続出。加えて、緊急事態宣言の解除後も飲食店は総じて対面で座ることや人と人が近づくことを避けるよう求められるのが自明なので、客足が戻るかも不透明だ。日本の飲み文化が変わるかも知れない。
 幸子ママも店を再開するにあたって、毎日検温し、マスクを着け、入り口にアルコールを置いている。知人の居酒屋では看板を蹴破られたと聞き、看板には灯を入れず、カラオケも低音量でマイクなし。競馬の話をしていた常連客は洋食店のシェフ。「今日の客はひとりっ!」と自嘲する。この日こっそり訪れた客は小生を入れて4人、三密には程遠い寂しさだった。
 「また来てね」という幸子ママ。フライング営業しているのを知られると嫌がらせがあるかもと、見送りは断った。店の外は真っ暗。オープン当時からの型板ガラス越しにオレンジ色の光が仄かに漏れていた。(しんぼー)
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テーマ:働き方 - ジャンル:就職・お仕事

新型コロナ渦中 開業医の「ここだけの話」
 日本では延長された緊急事態宣言。一方、新型コロナの被害が格段に少なく、平常が戻りつつある東南アジア。小生はそんな東南アジアをライフワークとしているので、感染者・死者が桁違いに少なかった理由を探る現地リポートを計画しているのですが、如何せん未だ飛行機が飛びませんし、入国もできそうにありません。よって、渡航できる日を待ちながら、このごろは各方面で未曾有の事態となっている国内を取材しています。とはいえ、メディア企業に属していた頃は、こうした国内取材は当然の日常業務でした。以下は、ビデオや写真を断られ、久しぶりの書き原稿となりました。

                             *** *** ***

感染予防の張り紙だらけの薬局  「ウチみたいな開業医は、感染者が一人でも出たら潰れてしまうからね」。こんな言葉を医師の口から聞いたのは2週間前、持病の治療で3年前から隔週通っている内科医院でのことだった。以来ずっと気になっていたので、5月12日の受診時に「先生、声を上げませんか?」と改めて取材を申し込んだ。カメラやマイクは断られたものの、メモなしには覚えておけないほどの事柄を15分を超えて話してくれた。もちろん医師は小生がジャーナリストであることを承知している。
 「みんな(未知のウィルスを)恐がっていてのことで、(人への)偏見や差別ではないと思うけど…」と前置きし、同年配の医師は潰れてしまった実例を話し始めた。「知り合いの内科と小児科でスタッフに感染者が出て、自治体にも拠るけど、そこは保健所の消毒が入った。2週間の休院を余儀なくされ、再開したんだけれど、何年も通ってきていた患者さんをふくめて、誰一人患者さんが来なくなったと」。
 この医院では(1)玄関前の外で検温し、喉の痛みや咳などの症状がないかを確認、(2)患者をはじめ医師や看護師、事務員全員がマスク着用、(3)待合室には患者を2人まで、(4)窓とドアを開放して換気、(5)ドアノブやソファーを頻繁にアルコール消毒、(6)医師はマスクに加えて防護めがねを着け、原則2メートル離れての問診、としている。
 「医師なら、どうすれば感染しないか分かっているし…」と予防策を説明した医師は、玄関ドアに「新型コロナウィルスの検査は、実施していません」と張り紙をしている。この日も午前中だけで37人を診察し、検体採取のためにさらに厳重な予防策を取る時間は捻出できないからだ。
 全国の例に漏れず、この医院も患者の大半は高齢者。お年寄りには感染の疑いがあっても検査は勧めず、軽症なら自宅で療養してと言っている。「だって、80歳の人にビジネスホテルで缶詰めになってもらって、不味い飯を食べさせるというのは…」。何年も診ている患者だと、医師の指導を守って出歩かない人かどうかは判ると断言する。この開業医は新型コロナ渦でも全人的医療を実践しているようだ。
 「日本での死者が少ないのは、医師のレベルが高いからですよ」。多くの開業医は独自の判断で重症化を防げそうな既存薬を、患者ひとり一人を診て処方していると明かす。「新型ウィルスに対する治験はまだですが」とことわりながら、肺炎やぜん息、脳梗塞などの治療薬を挙げた。「欧米での死者が桁違いに多いのは、一つには良い薬が保険適用されておらず高いし、用途が厳しく限定されているので日本のように柔軟な使い方ができないからでしょう」と推測している。
 自分の処方箋を手に立ち寄った薬局では、薬剤師がこんなことを言っていた。「クラリス(肺炎を抑える抗生物質)ですか?普段より出てないですよ。皆さん健康管理に努められているからか、このごろ風邪ひきさんも少ないんです」
新型コロナウィルス渦を傍観
コロナ渦中の卒業式 現役時代なら走り回っているところですが、記者発表や専門家のインタビューはおろか、余波に苦しむ市民の取材にも行っていません。フリーランスとしての活動は被取材者がそれどころではないと延期になったり、ライフワークの東南アジアは渡航自体が難しくなったり…。手をこまねいていることに焦燥感と罪悪感を抱きながら傍観しています。
 一方、自主取材の資金稼ぎでやっている『アサヤン企画』の仕事もキャンセル続出。そんななか、先日は卒業式のビデオ制作が舞い込んできました。やはり感染拡大防止のため、保護者と在校生の参列をなくして短縮した公立小学校の卒業式でした。どんな表情で卒業証書を受け取ったのか、校長や児童代表はどんな言葉を、ビデオを介してならば感染を心配せずに見聞きすることができます。また、時短にならなければ式で歌うことになっていた卒業生の合唱曲や校歌も、学校から音源をもらって式の映像に歌詞テロップとともに入れました。在宅ワークやインターネット会議なども感染防止策になっていますが、ビデオは記録として残す以外にこんな使い方もあります。
 ただ、こうした非常時にも児童の個人情報保護は厳しく求められ、卒業式の生中継はNG、映像をインターネットに上げることも許されず、コピーガードをかけたDVDが数日後に頒布されたようです。新型コロナの余波では家庭内暴力(DV)の世界的急増も報じられています。かつてDVを取材した際、暴力をふるう父親から逃れて来ている母子もいて、子どもが通っている学校が特定されると、執拗な父親に校門で待ち伏せされる可能性があるからと配慮を求められたことを思い出します。
 以前ここに書いた薬学部教授の研究とタイ厚生省の臨床試験の結果発表は待っています。また、小生がフィールドとしている東南アジア諸国を含め、メディア各社は1か月ほど前から社員と社外スタッフに出張取材や海外ロケを止めさせています。メディア企業に属すジャーナリストたちが動けないが、看過はできないという状況があればフリーランスの出番だと考え、今のところ傍観しています。皆様の周りに「看過できない状況」があれば、是非ご一報いただきたく思っています。(しんぼー)

某ネットニュースに掲載を断れた記事
abhaibhugejhrHP いま喧しい新型コロナウィルスに関する時事ネタです。
 小生は「東南アジアが専門で、医学や薬学の専門記者ではないので」と、下の記事は個人オーサーの頁にも掲載を断れてしまいました。
 確かに、記事は関西空港からハノイへの機内で書き、別件で出張していたホーチミンシティからアップするといった具合で、東南アジア取材の間隙を縫っての出稿でした。
 それでも、しかるべき取材の手順を踏んで、きちんと裏を取っているにも関わらず、誰が書いたということを採否の基準にするのは理解に苦しみます。近年はジャーナリストや記者が取材して書くのではなく、各専門家が直接書く時代になって来たのでしょうか。それならば、昔から論文というものがありますが、専門外の人や一般読者には難解です。
 ということで、個人ブログト『フォトジャーナリストの戯言』に加えました。お時間が許す方は、お読み頂ければ幸いです。

◼️薬草で防げ 新型コロナウィルスの感染
     タイ伝統医療を継承する病院が推奨

 タイのチャオプラヤ・アパイプーベット病院は1月29日「ファータライジョーンで新型コロナウィルスに対する免疫強化を」とインターネットで報じた。
 ファータライジョーンはタイ語で「山賊を退治する天」という意味で、タイで伝統的に用いられてきた薬草の名前。コウモリなど野生動物を介して人に感染したと指摘される新型コロナウィルスが、その感染予防にもこれまた野に生える薬草が効くという。
 同病院はファータライジョーンの錠剤を12歳以上の子どもと成人に処方していて、予防するには1回1錠を1日5回服用するように勧めている。ただし、妊娠・授乳中は禁止とある。
 新形コロナウィルスの感染者が、特に中国で増え続け、このほど世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。その約1か月前の昨年12月、偶然にも薬学博士で九州大学・長崎国際大学名誉教授の正山征洋さん(76)と漢方薬局招き猫の薬剤師、斉藤正勝さん(50)が同病院を視察していた(写真)。最新設備を誇る総合病院だが、一方で伝統医療部門を持ち、動植物由来の伝統薬の薬局や資料館も充実していることに二人は感心。今回インターネット記事を読んだ正山さんは同病院からその裏付けとなっている2010年発表の論文を取り寄せた。
 論文によると、ファータライジョーンの学名はアンドログラフィス・パニキュラタ(Andrographis paniculata)、日本ではセンシンレン(穿心蓮)と呼ばれているキツネノマゴ科の一年草。インドで古代から施されてきたアーユルベーダでのカンジャンで、アジア各国の伝統医療で細菌性赤痢に効くとされ、苦味強壮薬として様々な病気の治療に処方されてきた。斉藤さんによると、日本でセンシンレンは食品(ハーブ)として流通していて、違法性はないとのこと。
 病院のセンシンレンに関する論文は男女200人以上の臨床データに基づいている。正山さんは加えて、アメリカ家庭医学会など他の研究機関がヒトやマウス、細胞の各レベルで抗ウィルス作用を検証した論文数本も精査した。その上で正山さんは「センシンレン=ファータライジョーンは抗ウィルス作用があり、上気道感染症にも効くので、新型ウィルスの感染予防にも有効だと言えます。日本でインフルエンザに対して効果があると知られている麻黄湯や葛根湯とセンレンシンを併用すれば、新型コロナウィルスの感染をさらに防げるでしょう」と話している。
 今回新型コロナウィルスが喧伝される前から、正山さんは人混みへ出かける際は、予防効果を狙って事前に葛根湯を飲むようにしていたという。
 また、先日訪ねたばかりの病院の有益な発信を嬉しく思うという斉藤さんは「植物の新芽は外敵から身を守り、生き延びるために、免疫を高める物質を作ることがあります。進化型ウィルスが出現しても、自然は随時呼応し、新たな抗ウィルス作用を持つ植物を作ってきたのだと思います」と生態系のメカニズムの妙に驚きを隠さない。
 二人が同病院を視察する前にカオヤイ国立公園で実施した薬草リサーチでは「白いウナギ」や「棺を蹴る馬」、「コブラの木」、そして今回取り上げられた「山賊を退治する天」といったタイ語名の薬草を観察した。いかにも何世代にもわたる言い伝えがありそうな呼称である。世界中で感染拡大が止まらない新型コロナウィルスに対して、先端のバイオテクノロジーでワクチン開発が急がれるなか、タイの温故知新を是とする薬草研究にも期待が高まりそうだ。

Summary
Depending on the outcoming call from チャオプラヤ・アパイプーベット病院Ayurvedic Andrographis paniculata growing in Thailand can be used for flu prevention. Several papers confirmed that this plant has anti-virus activity and related symptom like upper respiratory tract infection in vivo and in vitro. Since two Kampo medicines Maoto and/or Kakkonto are known as an anti-influenza drug in Japan, the combination with two old medicines might be accepted for the prevention of influenza virus infection.
薬草で年を越し、来年は高齢者介護も
khaoyai_title ビデオリポート『未知なる薬草を求めて ~タイ・カオヤイ国立公園~』のアップロードは新年となりました。ここにはアップしたのは、いわゆる番宣代わりのアバーンです。ナレーションと地図を入れ、1月10日頃に個人サイトとYoutubeの『東南アジアの人びと』で発信しますので、ご覧になって頂ければ幸いです。
 2019年はロヒンギャ難民の取材でこの年齢になって初めてバングラデシュへ行き、復興五輪1年前にはフクシマへ。そして、しばらく資金作りのアルバイトに勤しんで、今月は上記テーマでタイへ、その足でプノンペンに立ち寄って『ポルポト時代を超えて歌い継がれる懐メロ』といった取材をしてきました。カンボジア分の編集は年明け早々に着手し、タイに続いて1月中旬には発信できる見通しです。
 きょうはこれから特別養護老人ホームへ最後のアルバイトに行ってきます。今年1月4日から1年で約90回の宿直をしましたが、自分の経験を活かせる『アサヤン企画』の仕事が忙しくなって来たため、今年いっぱいで辞めることにしたわけです。
 2020年は2月に労働者問題でベトナムへ赴くことが既に決まっています。しかし、それが一段落する4月ごろからは国内の高齢者介護に焦点を当てる予定。明朝「お世話になりました」と特養で辞任の挨拶をする際、その介護のイメージ映像を撮らせてもらうべく撮影許可申請書を施設長に手渡してくるつもりです。高齢者関連は1982年に『寮母さん徹夜の奮闘 ~福祉最前線 特養の24時間~』を新聞で、1998年に『介護保険実施までもう2年、まだ2年 ~ルポ大垣市の場合~』を雑誌で報じ、22年ぶりに介護保険では立ち行かなくなっている現状と、あるべき形を提言したく思っています。
 2019年は当ブログご愛読、どうも有り難うございました。来年も引き続きどうぞ宜しくお願い致します。皆様、良いお年をお迎えください。(しんぼー)