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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
フォトジャーナリスト
Photojournalist
詳細は下記サイトへ
ルポ集『東南アジアの人びと』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
37年目のカンボジアで
WhiteHotel 写真右のホテルはかつて「ホワイトホテル」と呼ばれ、まだ内戦中だったカンボジアで外国人を受け入れていた数少ないホテルの一つでした。ホテル名は変わり、サッシが鉄からアルミに入れ替えられていますが、バルコニーや窓の位置など外観は当時のまま。37年前初めてこの国を来た時のことを思い出しています。
 ということで「認知症に効く薬草」の探索をタイ・カオヤイ国立公園で取材した後、「ポルポト時代を越え歌い継がれる懐メロ」をテーマに隣国カンボジアはプノンペンに来ています。東南アジアをライフワークとし、当然のことながら日本人の目で日本語で報道してきました。今回のテーマも背景に日本の少子高齢社会を置き、日本の学者や歌謡曲をしっかりと引っ掛けてはいます。それでも、マスコミの需要はなく、発信は個人サイトとYoutubeの『東南アジアの人びと』だけになる見通しです。
 企業ジャーナリストとしてマスコミの内側で長年働いたので解りますが、こうしたネタをマスコミで取り上げるためには、制作予算の大きな割合を人気俳優や芸人のギャラに充て、数字が取れるリポーターやナレーターを立てるといった脚色・演出が求められます。一方、確実に黒字になり、今回も帰国直後から依頼が入っているアルバイトは、ニュースと娯楽どちらの観点からも公共・公益性が低く、記者やディレクターが取り上げようとはしないクライアントの自己満足のためのモノが殆どです。回り回って自分の知恵になったり、自らの生活改善に繋がるモノは、情報に対して能動的でなければならないからでしょうか、…。直裁的に自分が満足できるモノならば制作料を払ってくれるのが現実のようです。
 言葉は悪いですが、そこを利用して国内でのアルバイトをこなしていけば、万年赤字のライフワークも続けて行けそうです。昨日はインサート用のイメージ映像だけしか撮れず、大学キャンパスで学生に当該教授の携帯を聞き、その教授から最適の人物の名前を教えてもらい、書店でその人の著書と連絡先を入手し、アポ取りといったことに時間を費やしました。インタビュー取材まであと2時間、そろそろ本業に戻ります。(しんぼー)

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ハーモニカ教室、そして熱帯のジャングルへ
lesson_video お陰様で『アサヤン企画』への依頼が殺到。体は一つということで、日時がダブって数件断ってしまっています。前回のブログで触れた「ハーモニカ教室(写真)」に続き、「ロックのMV」や「マジックバー」、「合唱コンサート」、「フットケア」、「カイロプラクティック」、「CGソフトのCM」と量産し、定年退職前の忙しさに逆戻りです。
 個人や小企業でも制作できる料金に抑えているからこそ、これほどの依頼があるのだと思います。まさに薄利多売。ライフワークの東南アジア取材の経費を賄うには、こうした仕事を20件はこなさなければなりません。それでも、クライアントのお蔭で自主取材の独立性が保てているとも言えます。
 さて、今回の自主取材は、観光客が立ち入れない国立公園でタイと日本の“薬草ハンター”の出会いに焦点を当てます。中国の漢方薬はすっかり身近になっていますが、熱帯で植生こそ違うタイの薬草も、薬や健康食材として何百、何千年と口にされてきました。しかし、東南アジアでは紙と墨の文化ではなく、その「薬草の先生」と呼ばれるタイ人も口伝で継承しています。それだけに世界的にはまだまだ知られていない薬草もあるのではと、日本の薬学部教授と漢方薬剤師に声をかけ、彼らと一緒に国立公園のジャングルに分け入ってきます。
 なんでも教授がいま探しているのは、認知症を遅らせたり、治したりする成分が含まれる薬草だとか。60歳以上の認知症発病率は、熱帯では日本や欧米の約半分というデータからの推察だそうです。「あれ、ナンやから、そうやろ」と言葉が出にくくなり、小生もMRIを撮ると「前頭葉の血流が悪くなっている」などと診断されました。自分のためではないですが、高齢社会の問題に挑む泰日協力プロジェクトとも言えます。熱帯のジャングルに差し込む一条の光のように、地道な研究活動にフォーカスします。年末か年明け早々にはアップロードの予定。ご期待ください。(しんぼー)


ロヒンギャ難民取材 無事終了
Rohingya_camp  1月末の日本国内取材の後、現地と連絡を取りながら準備を進めていたロヒンギャ難民取材でしたが、いまミャンマーとバングラデシュ、タイを回り無事完遂しました。
 恙無く取材できるか最も不安だったのは、バングラデシュの難民キャンプ。報道ビザの申請には所属証明書や出張命令書などが必要なのですが、定年退職者にとってそれは揃えられません。難民キャンプに出入りするパスも携行しなければなりません。結果的に自由に取材して回れたのは、現地の美術クラブが招待状を書いてくれたからです。その美術クラブには人権をテーマに絵画や写真、彫刻、詩などを制作しているアーティストが集っています。小生はジャーナリストであると同時に、芸大卒の日本写真家協会会員であることが功を奏し、クラブ代表者とも意気投合できました。写真はキャンプ内のイスラム学校でコーランを無心に朗誦する少年たちです。
 難民キャンプは国境沿いの起伏の多い広大な赤土の上に、人がやっと擦れ違えるほどの間隔で掘っ建て小屋がどこまでも密集し、80万人を超すロヒンギャの人々が暮らしているのを目の当たりしました。世界各国へ散っているロヒンギャ族を入れると、その数は倍に。30年以上前にタイ国境のカンボジア難民キャンプへ通いましたが、規模も問題の根深さもカンボジア難民を超えています。しかし、国交がなかった当時のカンボジアとは異なり、今のミャンマーとバングラデシュには日本政府が多額の援助を施し、多くの企業が進出しているだけに影響力はある筈です。
 故郷での安全を保障されないまま帰還リストに載せられてキャンプを逃げ出した難民をはじめ、未だ軍政下にありロヒンギャを差別迫害するミャンマー人、そして、第三国で活路を模索するロヒンギャの人たち。今回、両側からそれぞれの立場の人たちに話を聞けました。今から西陽さすチャオプラヤー川へタイのイメージカットを撮りに行き、今夜遅く帰国便に搭乗します。編集はロヒンギャ語の翻訳スーパーなどで2週間ほどかかりますが、立体的で濃いリポートをお届けできそうです。どうぞご期待ください。(しんぼー)
ヒマダネ『未来に続く廃線』をアップ!
HuaLamphong_st 標題のビデオリポートを個人サイト『東南アジアの人びと』にアップしました。今年の前半は派遣ディレクターとして某テレビ局に勤めていたので、後半にカンボジアとベトナム、タイと取材し3本の記事付きビデオリポートを発信しました。しかし、タイで取材した3本目は個人サイトだけで、今のところどのメディアにも載せていません。というのは、やはりメディアというのは商業媒体。特に近年は売れ筋のネタしか受け付けないからです。
 今回は廃線探訪記でもあります。しかし、台頭する中国が一帯一路のもと東南アジアでもインフラ建設に乗り出しているなか、その廃線をタイ政府が復活させるプロジェクトを閣議決定し、投下する金額も発表したばかりなので、いま報道する意味はあります。しかし、日本の受け手にとっては日常生活や自分の利害に直接すぐには関係して来ない動きなので、海外のヒマダネの一つに過ぎません。新聞、雑誌、テレビと長年メディアの内側で働いていましたので、その感覚は嫌というほど分かっています。今や出版経費や電波料が不要になったインターネット時代ですが、記事の文字数や映像の尺に制限がなくてもひとたびメディアとなれば、その法則は同じです。
 ただし、紙(誌)面や番組枠は必ず埋めなくてはならないのですが、毎回ホットな話題や重大ニュースで埋めるというのは難しいものです。限られた人員と予算、取材対象エリアという条件が付くからですが、個人のライフワークで東南アジアを取材していると余計にサモアリナン、です。しかし、特定の媒体やシリーズを読んだり見たりすることが習慣になっている受け手にとっては、時に軽いヒマダネがあっても気分転換にならないでしょうか。また、送り手としては、前回は入管法改正で騒然となることを見越してベトナム人実習生らを取材しましたが、そんなビビッドな話題で受け手の注意を引いておき、その次ぎは普段なかなか興味を持ってもらえないが、自分としては以前から取材したかった話を持ってくることがあります。
 もちろん、地味なネタで退屈にならないよう、今回の場合は列車の箱乗り取材やドローンによる空撮など魅力的な映像を織り込み、BGMも使用料を惜しまず選びました。それに東南アジアに興味がなくても、鉄チャンや廃墟マニアの方には楽しんで頂ける部分も。お時間が許す方は、どうぞご覧になって下さい。(しんぼー)


次の取材は… 『未来に続く廃線』
地雷原を往く混合列車 写真は、地雷除け無蓋車を先頭に、内戦中のカンボジアを走る混合列車。時代は変わりましたが、次の取材は鉄道を軸とし今月25日からタイへ行ってきます。中米関係が険悪になり“新たな冷戦”というような世界情勢です。その余波で日中は接近し、日本は中国に対するODAは止めるが、第三国での開発事業を中国と協同でといった路線に舵を切ろうとしているようです。ということで、今回はその第三国の一つ、タイへ。
 取材現場は、第二次世界大戦中に日本軍が建設し、今は廃線となっている『クラ地峡鉄道』跡。そこに新線を2020年に着工したいというタイ政府の意向が見えてきました。ASEANの優等生タイは運輸でもその中心にいたいのでしょう。しかし、大きなインフラ整備は外国からの援助か投資なしには難しいのが現実です。よって、一帯一路政策を推し進める中国と、経済力やプレゼンスを急には落としたくない日本との三つ巴の開発事業になるかも知れません。
 ところで『廃線』には独特の魅力があり、書籍やウェッブサイトにも数多くの探訪記があります。しかし、このクラ地峡鉄道は、良く知られる泰緬鉄道の補助的役割として1943年末に開通しましたが、戦後すぐにレールが撤去され、残る記録も少なく、忘れ去れていた廃線と言えます。それでも、マレー半島が最も細くなっているクラ地峡は運輸交通の要所で、7世紀以降の『海のシルクロード』もここを通り、舟からゾウに荷を積み替えて横切っていたそうです。
 現代ではシーレーンやタイの工業地帯からのショートカットになることから、地政学的にも地図が描き替えられる壮大なプロジェクト。歴史を紐解きながら廃線を辿り、当事国タイを中心に中国や日本の思惑にも触れる、そんな探訪記にしようと思っています。年内には発表します。ご期待ください。(しんぼー)