報道、ドキュメンタリーと、小生はずっとノンフィクション畑でやってきました。正直に言えば、ノンフィクションでも、記事や番組にヤマができるので、取材中に「なにか起これば良いのに」としばしば期待し、その変化を使うためにウラを取ろうと躍起になったりします。しかし、こちらがけしかけたりすればヤラセになり、たぶんこうなるという想定で書いてしまえば捏造になります。と考えると、フィクションの方が架空の人物を使って自分の思い通りに書けるので、より易しいように感じます。 しかし、小生はノンフィクションよりフィクションの方が難しいと思います。ノンフィクションは焦点が外れていなければ、あとは体を張り、長期に亘る地道な取材といった方法で、そこそこのものが出来ます。一方、フィクションの方は、必ずしもそんなことをしなくても、鋭い感性と頭の中での想像だけで良いものが出来たりします。フィクションの方が芸術家肌というか、天才肌の人ではければ作れないように思います。 受け手が白けず、ついて来てくれるフィクションは、ノンフィクション同様にリアリティーが求められ、良い作品にはそれがあります。そして、そのリアリティーがバカ正直に逐一取材したものよりも、ずっとリアルなことに感服します。と同時に、愚鈍な小生には到底できないので羨ましく思い、やはり小生はノンフィクションでやっていくしかないと思ったりするのです。勤務先の仕事の切れ目を見極めるのが難しいのですが、そろそろ次の自主制作ノンフィクションの準備を始める時期となりました。(しんぼ-)
テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学
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