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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
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ルポ集『東南アジアの人々』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
取材自主規制?
 雲仙普賢岳火砕流や阪神淡路大震災などは発生当日に現地入りして長期に取材しましたが、今回の東日本大震災は、勤務先で報道を離れていて、それなりに別の仕事をせねばならないこともあり、傍観しています。それで思うことなのですが、1990年代後半までは、報道各社の社員であろうが、フリーランスであろうが、特ダネを狙って、身の危険を省みなかったり、危険を承知の上で現場へより近づこうとしたものでした。しかし、今回は三陸の被災地にも、福島原発にも、突っ込んで行く人がいないようです。マスコミが使わないから目に触れないだけではなく、インターネットにもアップされていないことから、やはり、今のところ実際にいないようです。
 メディア企業は社員やスタッフの安全を第一に考え、危険な取材を禁じています。業務中に大怪我をしたり、殉職したりすれば、人命を軽んじる非人道的で反社会的な企業と非難され、被害の補償などもあって経済的に大きな負担になります。たとえ、一発当てようと向こう見ずなフリーランスが取材し、原稿や写真、映像を持ち込んで来ても、マスコミ企業はそれを採用することはないでしょう。なぜなら、たまたま持ち込まれたものと言っても、事前に取材計画を知っていたが、大事に到った際の責任回避のために知らなかったと言っているだけと疑われては、前者と同罪になってしまうからです。
 21世紀になって、自然災害や原発事故に限らず、いわゆる報道各社間や記者クラブでの協定、或いは、メディア企業ごとの自主規制がいよいよ強くなって来ました。しかし、どれだけの被害が出た地震・津波だったのかという記録を残すこと、原発に関する政府や電力会社の発表の真偽を確認し、真実を伝えるということは必要だと思うのです。
 35歳からの6年間はフリーランスをし、自分が必要と思う取材をしていましたが、今は会社員。特に国内ものとなれば、休日に自己資金で取材すると言っても、許されません。60歳定年まで、あと6年。子供たちは現在すでに独立していますし、自動的にフリーランスに戻るその年齢以降は、今回のような災害や事故があれば、自己責任で取材に行こうと思っています。(しんぼー)
  
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戦火に油を注ぐジャーナリスト?
 自主取材から戻ってきました。なるべく早く発表できるよう、勤務先の仕事の間隙を縫って、編集に取りかかったところです。今回の取材先、国境を挟んで武力紛争している二国で、それぞれの国のジャーナリストと話す機会がありました。二国間関係は、彼らが互いに隣国へ入国できないところまでは悪化していませんが、取材となると実際問題、警戒されて率直な話が聞けなかったり、立入が制限される場所が多くなっているのが現状です。だから、両国どちらの国民でもなく、国境の両側を取材できた小生に会いたいと言って来たのだと思ったのです。
 ところが、話を始めると、対する国の言い分や事情を聞き終わらないうちに、それを自国の論理で悉く否定しにかかります。二人は頭ごなしに相手国こそ先に条約や申し合わせ、法律を破ったと詰り、自国政府の武力行使を正当化しようとします。両国とも多党制民主主義で、言論の自由も一応ある国。会った場所と日こそ違いましたが、どちらも自国政府の価値観や考え方で終始対応し、まるで一党独裁国の国営メディアの記者か軍事政権のスポークスマンのようだったのです。
 愛国心は分かりますが、愛し方は人それぞれであって、必ずしも政府のそれに同調する必要はありません。たまたま二人だけがそうだったのかも知れませんが、ジャーナリズムにおいて大切な中立性が見られません。さらに悪いことには、彼らは冷や飯を喰わされている異端のフリーランスジャーナリストではなく、高い評価を受けている企業ジャーナリストで、二国のタカ派世論を代表しているのです。こうしたジャーナリストの偏った報道や論調は、戦火に油を注ぐことになりかねません。
 冷静に地理や歴史を分析したり、双方の事情や立場、感情を知ることは、政府にとっても外交の基礎情報として必須ですが、先ずは身軽に動け、間に立つこともできる自由なジャーナリストが取材し、広く報道すべきことです。そもそもジャーナリストの使命は、嫌悪や反感を煽るのではなく、相互理解を促し、戦争を回避させたり、停戦させたりすることだと信じる小生は二人の言動に驚くと同時に、危険を感じたのでした。(しんぼー)