東北大震災の被災者に、外国政府を含め、様々な団体や企業などを通じて多くの人々から義援金が寄せられています。ところが、プロジェクトや使途を決めて、受け取って分配する行政機関自体が被災していたり、また、優先する業務があったりしています。その結果、義援金が必要な所へ的確・迅速に届いているとは言いがたい状況です。大規模な天災でなくても、内戦下で役所が不在だったり、政治的に割れていたり、途上国では生活のために賄賂や横領が日常茶飯事だったりして、やはり義援金や寄付がなかなか必要としている人々へ行き着きません。 だから、医療福祉や建築土木、教育などと並んで、援助を管理運営するボランティアも必要だと思うのです。この種のボランティアは短期の休暇や休日に時々活動するのでは機能しないので、専任の有給ボランティアでなければ務まりません。ボランティアスタッフが義援金や寄付の中から報酬を取ることに、ボランティア精神に反するという人がいます。しかし、小生などはそうしたプロのボランティア団体に20年以上寄付を続けています。逆に、管理運営スタッフが十分でない所へは寄付していません。 というのは、援助を活かすには、地域の人たちに話し合いを促し、要望を纏め、且つ、緊急人道援助の時期が過ぎていたら、一時金的なバラマキではなく、不平等や不正がないか見守りながら、生産・経済復興に繋がるような使途や配分を助言しなくてはならないからです。そのためには被災地のポテンシャリティをリサーチしながら、その地域の人々の信頼を得なければならず、腰を据えての仕事となります。 そもそも「ボランティア」という言葉は「無報酬で」ということではなく、「自主的に」とか「自分の意志で」という意味です。たとえ有給スタッフとして働いていても、目指す支援が不要な状態になれば、その地では失業するわけで、安定収入が得られ、将来に展望が持てるとは言い難い職です。国連の下部組織や国際・ローカルの非政府機関(NGO)のスタッフが有給であるように、やはり義援金が有意義に使われるためには、その規模に応じた専任ボランティアたちの報酬は必要経費とすべきだと思うのです。(しんぼー)
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テーマ:東北地方太平洋沖地震義援金、災害援助 - ジャンル:福祉・ボランティア
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