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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
フォトジャーナリスト
Photojournalist
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ルポ集『東南アジアの人々』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
消極的自殺
 15年くらい前に何度か一緒に仕事をしたカメラマンの訃報が先月入りました。それ以来「消極的自殺」ということを考えています。小生が引っ越したこともあり、彼とは長年一度も会うことなく、年賀状も途絶えていたのですが、彼の高校時代の同級生という男性がネット検索で小生が仕事仲間だったことを割り出し、メールしてくれたわけです。
 同級生によると、中東の首都で客死したそうなのですが、詳細な情報がありません。各紙に全く載っていなかったことから、事件性はなかったであろうということだけは判りました。香典を送った実姉から後日かかってきた電話によると、現地へはバンコク経由の単独旅行で、路上に倒れているところを熱射病かと発見され、病院へ搬送されたそうですが、そのまま意識が戻らず逝ってしまったそうです。
 彼は小生より5歳くらい若かった筈です。当時、小生は彼と同じフリーランスでしたが、子供のこともあってサラリーマンに戻りました。一方、彼はフリーを貫いていたようです。定期健診や福利厚生のある会社員と違って、フリーランスは最低年一回の健康診断や異常があった場合の治療、ジムへ通ったりジョギングをしたりしての体力維持を自主的にしなければなりません。それを彼がしていたか否か知るすべもありませんが、そもそも、それは「しなければならない」ことではなく、「した方が良い」という次元のことでしょう。
 健康診断や体力作りの時間や費用を惜しんだり、言葉が通じない国を通訳ガイドや助手を雇わず、或いは、それを友人に頼んだりせず一人旅したりすることも、結果の予測が出来た上で、最終的には自らの意志で選んだ筈です。つまり、想定内にあった最悪の事態に遭遇した時も仕方がないという開き直りというか、刹那的な価値観が根底にあるような気がします。彼にパートナーがいたかどうかは判りませんが、独身だったとのこと。国内の孤独死も50、60代の独り暮らしの男性が多いというデータがあります。同世代の同性として分かる部分があるだけに、やるせない気分が続いています。(しんぼー)
 
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肩が凝る仕事
 1週間の自主取材から戻って来ました。深夜の取材こそありませんでしたが、早朝から夕方まで毎日カメラを担ぎ、メモを取り、宿ではその日撮った映像とノート、領収書などのチェック、それに洗面所で汗まみれになった服の洗濯をしていました。それでもぜんぜん肩が凝らなかったのです。メールチェックでノーパソも触っていましたが、いつも悩まされている背中の痛みは消えていました。
 しかし、朝着の飛行機で帰国し、昼から勤務先での仕事を再開すると、いつもの二の腕から肩、肩胛骨の辺りの痛みがテキメン、キッチリと戻ってきました。自主取材では普段より濃い時間を過ごしていたにも関わらず、ということは、やはり肩凝りの原因は精神的なもののようです。日頃は無意識に身体に不必要な力を入れ、身構えているということです。
 自主取材と勤務先の仕事で精神的に共通なのは、被取材者に気を遣うことです。しかし、自主では社内や広告代理店、スポンサーといった取り巻きがありません。加えて、勤務先でも原則企画は自分で挙げたものなのですが、報酬を貰っている手前、リサーチ段階から自己規制して需要に合わせています。それでも、さらに大衆の興味に媚びたり、くどくてベタな原稿を書かされたり、思想どころか当たり障りのない内容に変えさせられたりします。
 そんなストレスは自主にはありません。そもそも報酬は作り出したモノの価値ではなく、自分を曲げ、したくないことをするストレスに対して払われるようです。受け手が見たり知ったりする方が良いと思うことでも、いま多くの人が欲していなければ、そんな内容や切り口はタブーです。価値と需要は比例しません。だから、その逆のことをやっている自主取材は肩が凝らない反面、いつも赤字なのです。(しんぼー)