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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
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ルポ集『東南アジアの人々』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
事なかれ・儲け主義
 事件事故があったり、社会に重大な影響がない限り、それが民間営利企業ならば取材を断れても仕方がないと思います。しかし、近年公共性の高い学校などの取材も非常に難しくなっているのが事実です。こんなことを愚痴るのも、勤務先で持ち場替えがあり、もう定年までないだろうと思っていた社会ネタを再び扱うことになり、そうした壁をひしひしと感じる立場となったからです。
 取材を断る理由には「個人情報の保護」や「人権擁護」などが挙げられるのですが、殊に学校の場合は文部科学省や教育委員会、人権団体、それに所謂モンスターピアレンツの反応を恐れてという観が拭えません。或いは、私立ならば当然かも知れませんが、公立校であっても新入生減を招くようなネガティブな印象を与える事柄は、やはりタブーとしています。
 子供たちの教育を家庭や地域社会が一緒になって考えるため、また、一般市民や地方・中央政府が見過ごしている重要な事例を呈示するといった建設的な趣旨であることを説明し、且つ、プライバシーを保護する取材・撮影・編集方法を採るという条件を出しても、断れれる場合が殆どです。
 小生が駆け出しだった頃は校内の取材も名刺一枚で自由に出来たものですが、良識の範囲で取材し問題になった記憶はありません。しかし、少しずつ事前に文書で質問事項を提出することや、人物が入る場合は全体にボカシをかけることなどが求められるようになり、ここ数年は学校がブラックボックス化しているようにさえ感じる始末です。上から目線で糾弾しようなどとは全く考えておらず、問題を共有し、一緒に解決法を見いだす努力の端緒をという思いからなのですが、頑なに取材拒否されると学校側の“事なかれ・儲け主義”を疑いたくもなってしまいます。(しんぼー)
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異次元とのやりとり
 自主取材で行っていたタイ・ミャンマー国境で携帯が鳴り、何でも小生が勤務先で作ったドキュメンタリー番組に「幼児ポルノ」のようなカットがあると放送前のチェックで問題になっているとのこと。熱帯の少数民族を取り上げたもので、確かに海辺で裸の子供が遊んではいますが、ミニスカにハイヒール姿で頷くだけの女子アナをチラチラ映すような狙いはありません。多様な変態に逐一配慮していては、今に犬や豚にも服を着せないと映せなくなるだろうと呆れましたが、会社に著作権がある仕事なので「そういうことなら、どうぞ差し替えて」と大人しく折れておきました。
 そんな異次元とやり取りしながらの自主取材から戻って1週間が経ちましたが、記事にする時間がありません。帰国直後から忙殺されている仕事が、また異次元といった内容なので頭の切り替えが利かず、1、2時間なら捻出できても、どうも仕事が手に着かないという感じなのです。まだメディアには出ていない内容なので気は急くのですが、一方で小生の記事など誰も待っていないことも分かっています。知りたい人が多いならば、マスコミが記事や映像を買ったり、人を出してでも報じるからです。
 マスコミに出る記事やリポートは分かり易さが第一なので、指の間から零れる小さな事実は省略して大掴みし、記号のように単純化しています。だから、売れる“商品”になるのです。小さな事実の中には正反対の意見が混在し、或いは、二極論では整理できない要素も往々にしてあります。なので、単純化は短絡から誤解を招くのですが、如何せん、複雑なことはご免とばかり、短絡こそが求められているようです。
 売れない自主取材ですが、単純化を強いられないだけでなく、言葉狩りならぬ“映像狩り”にも遭わず、かといって、内容に関係のない女性リポーターや女優、タレントらを取って付ける演出も不要です。(しんぼー)