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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
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ルポ集『東南アジアの人々』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
動機を知りたい
 先週出勤途上のこと、子どもたちが集団で歩いて来て、普段はいない警察官に行く手を阻まれました。聞けば「爆破予告」があったとのこと。後の報道によると、勤務先隣りにある観光施設をその日午前10時に爆破するという予告が警察のサイトに届いていたそうで、近隣の小中学生が避難し、路線バスも迂回ルートで運行、小生のように緊急配備の警官に足止めを喰う通行人もいました。最近、やはり近くの駅ターミナルにも爆破予告がありましたが、そちらは予告日時までに容疑者が確保されていたということでした。
 しかし、いずれにせよ二次情報を調べた範囲では犯人の動機が分かりません。声明文などはなかったのでしょうか。なければ、予告の文面から何か嗅ぎ取れなかったのでしょうか。普通テロを起こす場合、起こした後の場合もありますが、現政権や体制側に何かを中止させたり、変更させるためにという犯行声明があります。爆破ばかりではなく、過去には国交のない亡命先への移動手段が第一目的というケースもありましたが、乗客を人質に取るハイジャックなどもテロの一つです。
 テロは民主的な言論などの平和的手段では無理と思い詰めた反体制の個人や団体が、小さな資金や武力で体制に最大限の被害・衝撃を与え、その事件に耳目が集まった時を捉えて、本来の目的である自分たちの価値観や目的をアピールするために犯すことだと考えます。小生がライフワークとする東南アジアでのことですが、これまで様々なテロ現場も取材してきました。なかには体制側が反体制組織などの社会的イメージを極悪にし、軍法で民主的な裁判もなしに投獄したり、殺したりするために、あたかも反体制が起こしたかのようにみせた事件もありました。
 ところが、最近身近に頻発している爆破予告というテロは、「なぜ」という部分の情報が決定的に不足しています。もしかしたら判定ボーダーの方で自分の障害を自認するのが嫌だったり、必要な障害者手帳が発給されていなかったりして、個人的に社会に対して鬱憤や恨みを抱いてという理由であったとしても、そう判れば対策があります。検問や職質を強化したり、極右極左の思想を持った人をマークするよりも、「なぜ」そんな犯行に及ぶのかという理由や動機に着目しなくてはこうした事件の根絶は難しいと思います。(しんぼー) 
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カネで買えないもの
 最近「売春」を勤務先で取り上げました。既に放送済みですし、その取材を通して得た情報はここに書きませんので、守秘義務や著作権の問題はないでしょう。で、その企画をやる以前から時々考えることがあるのですが、「おカネで売ってはいけないものは?」という命題です。それは恋愛感情、政治信条、信仰ではないかと。しかし、性的でなければ心のこもったサービス一般、つまり感情を売ることや、逆に感情を伴わせず事務的な性的サービスなら良いのか?なかなか答えを出し辛いことですが、小生は個人的に「対価や報酬を貰えるからといっても、ゼッタイに譲れず、やれないこと」という基準を持っていようと思います。
 ところが、サラリーマン(ウーマン)は少なくとも勤務時間中の身体的拘束だけでなく、政治信条や信仰まで売らざるを得ないと思うのです。それらは価値観という形で表出し、物事の可否や優先順位を決めますが、営利企業では法に触れたり社会的イメージが下がらない限り、儲かることが善であり、その逆は悪となります。ああでもない、こうでもないと言っているのが健全な状態。それは停滞とは違い、もし一つの理想にスイスイ近づいているならば、どこかで無理を強いていて、遅かれ早かれ破綻します。こうした基本的な価値観が食い違うならば、雇用関係を結ばなければ良いのですが、安定収入の魅力に負けて、思想や感情を押し殺して事務的にこなしてはいないでしょうか。
 自由に生きる人でも、最低限の生活費は必要です。食えなければ何も始まらないのですが、中庸や逆転することはなく、現代の民主主義のベースには必ず資本主義があるように見えます。無限の右肩上がりなど非現実的と、或いは、弊害が大きすぎると考えて、身の丈に合わせて慎ましく暮らせば、そうした呪縛から逃れられて自由なハズです。ところが、それをなかなか実行に移せないのは、一旦贅沢を覚えるとそこからの倹約は、周囲との繋がりや関係というシガラミに囚われ、個人の意志だけでは如何ともし難しくなるから。
 売春でパートやアルバイトの10倍近い収入を得ている人は、性病になったり、向精神薬が手放せなかったり、プライベートで異性と付き合えなくなったり、家庭を破壊させたりしても、なかなか止められないようです。それでも彼女たちは政治信条や信仰までは曲げる必要はありません。サラリーマンは安定収入に加えて、年金保険や退職金まで付いているから辞められないと言っている人と、売る部分こそ違いますが、結局は同じ穴に住むタヌキとアナグマに見えてしかたありません。(しんぼー)