♪秋の夜長を 鳴き通す ああおもしろい 虫の声。柄にもなくスズムシを買いました。土を4、5センチ敷いた小型のプラスチック水槽に赤ちゃんの握り拳くらいの自然石、それに爪楊枝で立てた茄子と煮干しがごろんと入って、スズムシ4匹で500円也。 小生が住んでいる都会でも、夜になれば歩道の植え込みから鳴き声は聞こえて来ますが、4匹捕まえるのには、道具も準備しなければなりませんし、真剣に“虫採り”をして何時間かかることでしょうか。ということで、安い買い物だと思ったのです。 買ってきた日からキュウリも立ててやり、煮干しも二日置きに変えてやると、夕方から翌朝まで鳴き通しに鳴いています。小生の部屋には仏壇などはないのですが、彼岸らしい花を活け、おはぎなんぞを頬張ると、なかなかの風情です。日本を含めて東アジアの人たちは虫の声を言葉や音楽と同じ右脳で、欧米の人たちは雑音として左脳で聞いているとか。冒頭のような唱歌が生まれるのも分かります。平安時代から歌に読まれ、江戸時代にはスズムシ売りが商売として成立していたと。鳴くのはやはり雄の求愛アピールだそうで、雌が産卵した後、どんなに環境が良くても越冬はせず、10月半ば頃には寿命を全うするそうです。 しかし、ちょっと衝動買いしてしまったようです。近々、出張が入ったのです。2日くらいなら問題ありませんが、餌やりをどうしようかと思案中。ベランダに茂っているバジルやイタリアンパセリなども、もう終わりに近いのですが、水やりの間隔があくので心配です。そもそも自然界なら虫も植物もそれなりに生きるのですが、スズムシはプラスチック製の小さな水槽、ハーブはプランターという人工空間に閉じこめている格好になっています。 独居世帯が増えるなか、小生のようなちょっとした悩みを持っている人は多いはずです。ワンポイントで、家政婦さんやホームヘルパーさんを頼む程のことではありません。出張から帰って来ても、まだ虫の音や摘みたての香りを楽しみたいので、いま便利屋に見積もりを依頼しているところですが、その基本料金はスズムシセットとハーブの種や用土代の合計より高額です。(しんぼー)
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