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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
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ルポ集『東南アジアの人々』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
障害者施設の事件に思う
 障害者施設の元職員が入所者ら44人を殺傷するという戦後最悪の事件が起こりました。現場が勤務先の取材エリアでないのと、小生は事件事故を扱う部署にいないので、全く一読者、一視聴者として事件を知りました。しかし、身体・知的・精神障害者やその施設はニュースでもドキュメンタリーでも何度も取材したことがあります。ニュースでは環境の改善を訴え、ドキュメンタリーではノーマライゼーションを推すためでした。killed19hc.jpg
 この国での偏見や差別は少なくなったようで、所得や学力の二極化に伴って、再び増加しているような気配です。在日外国人に向けたヘイトスピーチと一部同根の動機を感じます。カネやモノ、所属、名誉などに生き甲斐や幸せを求める人たちが、それを得られない、或いは、いつか得られるという希望が持てない状況に置かれると、鬱憤晴らしの対象として差別する対象としてスケープゴートを作りたがるという傾向があります。個人でなく組織や国となると、内在する問題が閉塞的状況を打開できず、解決への道が見えない場合、いつの時代も、どこでも外敵を作って内部の気を逸らすという手段を用いてきたように、この傾向を変えるのは非常に難しいと思います。
 なので、考えるのですが、障害者をはじめ弱者に対する福祉サービスは、警察や消防救急と同様に民営化できないモノだと。昔は行政がやっていたことを、どんどん外郭団体や民間企業に委託して来ましたが、この流れがいけないと思うのです。いくら年金や助成金などの公的資金が注入されていても、それだけでは回らず、ビジネスとして経営していかねばなりません。ひとたびビジネスとなれば営利を追求します。警察や消防救急が利益率が悪いから、赤字になるからと仕事をしないのは考えられません。命や自由、人権は売買できないわけですから、福祉サービスはそもそも営利企業に委託できる種類の業務ではないと思うのです。
 需給関係の中で健全な自由競争が働けば、一般的には質が良くなり、低価格になります。中央・地方政府はそこに目を付けての民営化なのでしょう。しかし、障害者をはじめ高齢者やひとり親家庭など支援を必要とする人たちは数多存在しているのですが、当事者やその家族に資力がない場合が多いので、大きな需要は潜在していても経済原理には乗らないのです。
 喰うに困らない社会になると、所謂3K職場には人が来ず、途上国との経済格差を利用して外国人を雇うというのも、この国より先を行っている欧州の国々で明らかです。民間委託して、そこの労働条件が魅力的なモノでなければ、一部の使命感を持った人を除いて、より良い条件の仕事にあぶれた人たちしか来なくなります。人の命を預かり、人権を守るといった大変な仕事が高収入にならないような価値観の社会ならば、NGOやNPO頼りでは限界があり、やはりそれは税金を使って行政が直接やるべきだと思うのです。(しんぼー)
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