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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
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Photojournalist
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ルポ集『東南アジアの人びと』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
なぜ東南アジア?
 どうして東南アジアを取材するのかと、よく尋ねられます。
 28年前にイギリスで1年間暮らしたことがあり、当たり前のことですが、中学から習ってきた英語でコミュニケートでき、日本が明治時代から取り入れてきた西洋の論理や価値観をベースに話が通じるので、そのころは欧米に親近感を持っていました。しかし、日本のビジネスマンや観光客ならば歓迎されますが、そのどちらでもなく、遊学していた私は、彼らにとって儲けにならない、なまった英語を喋るアジア人であって、少々差別も感じました。
 その後、20年前に初めて東南アジアへ行った時、タイ語もクメール語も簡単な挨拶しか知らないにも関わらず、けっこう込み入った話も通じる英語話者よりも、彼らに何か以心伝心通じる何かを感じ、同時に自分は紛れもなくアジア人だと再認識したわけです。その「何か」を敢えて言葉にすれば、逆境にある時の開き直りや自嘲の笑顔とでも言いましょうか。その笑顔を交わせば、「まぁ、そういうことで、(長い前置きは省略して)、飯でも一緒に喰いましょう」といった雰囲気になることが多いように思います。
 別の角度で「なぜ東南アジアなのか」と言えば、もし私が欧州に生まれていたら、きっとアフリカと中近東、ロシアを、アメリカ合衆国に生まれたなら中南米やアラスカに興味を持ったと思うのです。というのは、父や祖父の時代にそれらの地域へ植民していた宗主国には、誤解や曲解を含めて情報の蓄積があり、特に専門的に勉強していなくても、一般常識として知っていることも多いという地盤があるからです。当然、文化・風俗などの繋がりも濃いものがあります。
 日本人でもアフリカや中近東、中南米を取材・研究するのは希少価値があり、第三者的な眼も持てますし、大変良いことだと思います。しかし、元宗主国のジャーナリストや学者と比べ、前提部分でハンディがあるのは否めません。
 私も生活のための仕事で、日本大使公邸占拠事件が起こっていたペルーへ、トゥパクアマルやセンデロルミノスの取材に行ったことがありますが、アメリカ人ジャーナリストの後追いどころか、またその一部を垣間見るような取材だったと思います。今、これだけ衛星中継やインターネットで情報がやりとりされ、即座に翻訳されて流れ出しています。国内向けに報道する場合、「日本人の視点」という意義はある筈ですが、さて、背景知識や人脈がモノを言う深みとのバランスを見た場合、どうでしょうか。
 ここ数年でも会社の仕事で、門外漢の中国と韓国へ3、4回ずつ取材に行っています。上記の以心伝心に加え、同じ漢字圏で、また、熱帯とは違う、日本と同じ温帯の価値観を共有できていると感じ、心のヒダまで理解できそうな気がしました。しかし、私にとっては“時既に遅し”。また一からやっても、どうにもならないと思っています。
 最後に、「母国、日本の取材はしないの?」に戻りますが、実はルーティンとして日常的にやっています。しかし、私の場合、年に2~4回くらい東南アジアで取材していることで、より日本が見えているように思います。どちらか一方の社会にどっぷり浸かったままでは、全てが当たり前になって何も感じなくなったり、逆に、取るに足らないことが大事に見えたりするようになるのではと思います。
 ということで、私は東南アジアと日本の両方に拘ろうと思っているのです。(しんぼー)
 
 
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テーマ:アジア - ジャンル:海外情報

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