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しんぼー/Shinboh

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ルポ集『東南アジアの人びと』
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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
治外法権?
 沖縄の普天間基地のゲートを土砂降りのなか撮影していると、赤灯を回したMPのパトカーがやってきて、降りてきた若い憲兵が撮影はダメだと言います。基地の敷地外の日本の公道から肉眼で見える範囲を撮っているにも関わらずです。まるで駅や港、橋を撮影するとトラブルになった冷戦時代の共産圏での出来事のよう。しかし、これは米国のグーグルアースでヘリが何機駐まっているかを誰でも見ることができ、鞄や服にピンホールを空ければ動画の隠し撮りさえ可能な現代の話。それもアメリカと軍事同盟を結んでいる日本国でのことです。
 かといって、肝心の自爆テロなどは警戒していないようで、小生の身体や持ち物は検査しません。また、パトカーの助手席には通訳アルバイトらしき日本人青年が乗っていたのですが、この青年の英語がたどたどしく、哀れみすら感じます。「公道からの撮影が、なぜ禁止なのか理解出来ない」、「裁判所へ訴えるなら、どうぞ」と米兵に言うと、彼は「僕の考えじゃない、規則なんだ」と困った顔をし、基地内で上官に会ってくれと。軍事機密の漏洩を防ぐといった高尚なものではなく、レベルの低い嫌がらせとしか思えません。
 なぜなら、基地周囲の高い位置で望遠レンズを使えば、ゲートからは見えない基地内の施設や兵器も画面いっぱいに撮れるのです。こんな難癖を付けられるのも、無条件降伏し不平等条約を結んだ敗戦国だからでしょうか。米兵の傍若無人な振る舞いはしばしば事件になり報道されていますが、お門違いな取材妨害やセンサーシップ(報道管制)ももっと問題にすべきだと思います。
 さて、顛末ですが、今回の沖縄取材は勤務先の仕事で、基地ゲートの映像はインサート用。この絵がなければ番組が成立しないということもありません。且つ、基地内への“招待”を受けていては帰りの飛行機に間に合わなくなる時刻でした。この言いがかり自体がネタになる、面白い展開だったのですが、会社がこうしたトラブルを嫌うのは容易に想像できます。よって、深入りするのは個人として来た時に譲ることとし、米兵が傘もささず見届けるなか、空港へ向けて車を発進させたのでした。(しんぼー)
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