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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
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ルポ集『東南アジアの人びと』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
遺体の写真・映像
 「今年の東日本大震災ではあれだけ沢山の方が亡くなったのに、遺体の写真や映像を一切見なかったわね」。先日、取材協力者との忘年会でこんな話題が浮上。「どうして?」と小生に振られているのは明らかで、皆さん納得は行かなかったでしょうが、こんな説明というか、言い訳をして来ました。
 阪神淡路大震災をカメラマンとして取材した小生は、当時すでに中堅にはなっていましたが、新聞社を辞めてフリーランスになっていたこともあり、「これは編集者がボツにしようが、撮っておかなければ」と自分の価値判断で、建造物の大崩壊を横目に遺体がらみの写真ばかり撮っていました。生き埋めになり重機や人手が足らず数時間の差で命を落とした人たちや、行政やNGOが間に合わず歩道に敷かれた布団にズラッと寝かせられた遺体、次から次へと戸板に載せられた亡骸が運び込まれ、祭壇の仏像の脇まで遺体が安置された寺、などなど。「他人の災難がそんなに面白いのか!」と鼻や顎の骨が折れるかと思うほど強く殴られながらの撮影でしたが、今でもあの判断は正しかったと自信を持っています。
 東日本大震災の死者行方不明者は19,334人(12月9日現在)と一桁まで判る戸籍制度もしっかりした日本です。しかし、その一部分でも写真や映像で記録・報道されていないと災害の悲惨さは、いくら「2万人近い人々が…」と言われても、なかなか想像できるものではありません。年月が経って歴史になった時、次世代以降には最早リアリティの欠片もないでしょう。
 小生がサラリーマンに戻って14年。雲仙普賢岳や阪神淡路大震災の取材経験があっても、今年の大震災では全く声がかからず、目前のルーティンに当たっていました。個人情報保護が喧しくても、人物を特定できない撮り方や出し方はいくらでもあります。前景や背景に被災地が入るわけですから、この時ばかりは安易な手法と非難されることはありません。会社員に戻ったのは生活のためでしたが、酒席であっても、こういう質問を受けると色々と深く考えさせられるのです。(しんぼー) 
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