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しんぼー/Shinboh

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ルポ集『東南アジアの人びと』
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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
タイでの日本人スキャンダル
 自主取材の帰り道、バンコクに立ち寄るとタイの新聞テレビは「24歳の日本人男性がここ2、3年の間に体外受精で10数人の子どもを作っていた」というニュースで大騒ぎになっていました。人身売買や代理母が社会問題になりつつある一方で、日頃から死体の写真まで載せるタイでは、その男性、氏名・顔写真付きで報じられていました。「通信業界成功者の御曹司で、3カ国のパスポートを持っているらしい」とスキャンダルの要素も十分です。
 このニュースを耳にして色々な思いが頭を過ぎりました。まず、タイ人女性との間に子どもを作ったものの認知や養育費など後のことは知らないという無責任男の話とは少し違うようだということ。次に、タイは性適合手術や不妊、がん治療などの先端医療を外国人富裕層向けに産業化していますが、とうとうこんな事件が起きる舞台になったかということ。三つ目には70年代に同じくタイのチェンマイで若いタイ人女性ばかりで“ハーレム”を作っていた日本人のことを思い出しました。そして、ずっと立ちこめている疑問が、何よりも想像すらできない男性の動機です。
 複数の報道に触れましたが、タイ警察の調べに対する「沢山の子どもを作ることが世界への貢献だから」とか、「会社を継がす優れた子孫を得るため」といった男性の動機説明は全く解せません。一方で「過去に3人の子どもをカンボジアへ連れ出したことがある」という情報もあります。里子を反社会的な方法で得ようとする夫婦や違法な児童労働で稼ごうとする業者に子どもを提供する人身売買は、この男性の場合、経済的余裕が十分にあり、そんなリスクを冒すとは考え難いことです。また、実子の中から優れた後継者をというのは、DNAよりも養育環境や教育が大きく影響する故、これまた全く非現実的です。
 かつてチェンマイで有名になった日本人は女性たちと屋敷に一緒に暮らし、彼女たちの家族の面倒も見ていました。人身売買の容疑で逮捕され国外追放になりましたが、パスポートのローマ字表記を変えて、その後はカンボジアのボイペットやシェムレアップで同様に多くの女性を囲う生活をしたそうです。この男の場合、大きな経済格差や未整備な法、それに人権意識の低さを利用して原始的な“オスの欲望”を実現させたのではと、ある意味で解せます。しかし、今回の24歳の男性は代理母と親しくしたり、子どもたちと一緒に大家族で暮らしたりするわけではないのに、代理出産料や養育費だけは払っていたとも言われています。それでは父親の気持ちや思いは子どもに伝わらず、「優れた後継者」にも育たないでしょう。う~ん、「男性の供述が待たれます」としか小生も言えません。(しんぼー)
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