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しんぼー/Shinboh

Author:しんぼー/Shinboh
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ルポ集『東南アジアの人びと』
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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
備えよ常に
 記憶が正しければ、「備えよ常に」は小生が子どもの頃に属していたボーイスカウトの標語です。大晦日から元日にかけて勤務先の仕事で雪山へ行っていたのですが、この心がけが大変役に立ちました。備えていたのはレンタカーをはじめタイヤチェーン、携帯コンロに食糧、最寄りのホテル予約、日頃ジムでの体力作り、ヘッドランプ、キャラバンシューズに滑り止め、杖、帽子と手袋、小型カメラです。どれが欠けても、取材は完遂できないばかりか、他人に迷惑をかけたり、法外な経費がかかっていたりしたと思います。
 タクシーは貸し切りで数万円になるだけでなく雪道は行ってくれないと思います。レンタカーは狭い道と雪に強い前輪駆動の軽を予約したのですが、借りる直前までタイヤサイズが分からないのに、一方でチェーンが売り切れそうな天気予報でした。そこで、最も多くの車種に適合するチェーンを前もって買っておいたところ、それでOK。山は予想通りの積雪と凍結で、ノーマルタイヤの車が立ち往生したり、ガードレールに当てたりしていました。取材の合間の待ち時間には、半径数キロはコンビニもない山中ですが、携帯コンロのお陰で熱いカップ蕎麦や雑煮、珈琲などで一息。現場からの往復を差し引くと2時間余りのホテル滞在でしたが、熱いシャワーを浴びて1時間半仮眠するのとしないのでは全然疲れが違ったと思います。未明から早朝にかけて初日の出の撮影で2.2キロの山道を往復したのですが、それなりの足下に防寒具、両手が使えるヘッドランプ、体力に合った小型カメラだったからこそ、撮影する余力が残りました。山頂の山小屋の寒暖計はマイナス8度。積雪10センチ程、下山時にはブリザードに見舞われ、ほっぺたが霜焼けになりそうでした。
針金のお陰で両手が使えた!  しかし、本当に今回助かったのは、小型カメラなどを入れて襷掛けにしていた鞄に忍ばせていた10センチほどの針金でした。壊れた金具の代わりに使っていた結束バンドが寒さで切れる可能性があったので、針金を入れた置いたのです。案の定、プラスチック製のバンドはパリッと割れるように切れてしまいましたが、修理は1分足らずで出来ました。あの急な山道で、両手が使えないことを考えると、やはりこれが一番役に立ったように思います。
 帰路、仕事を完遂した安堵と車内の暖房から、たぶん1秒ほど居眠り運転をしてしまいました。ヒヤッとして窓を全開にして走り、コンビニでカフェインドリンクを飲み、無事帰還することが出来ました。年に1、2回こうしたことがありますが、取材や撮影は結局ロジスティックスが肝心で、それが欠けると、いくら技術や経験があっても始まらないものだと、再認識する2015年最初の取材でした。(しんぼー)

 
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