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しんぼー/Shinboh

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ルポ集『東南アジアの人々』
"People in Southeast Asia"

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フォトジャーナリストの戯言
取材に基づく記事やビデオリポートではなく、日々の戯言
体験、コンビニ弁当工場
 「交代がいなくて、トイレにさえ行けないんですよ」。非正規雇用の取材で、フリーターユニオンの組合員が泣きそうな顔で話してくれたことがありました。ベルトコンベアで次々と流れてくる弁当トレイにご飯やおかず、透明シートなど、それぞれが担当するモノを盛りつけていくという作業。そんな弁当価格競争の現場を自ら体験してきました。
 その日は日曜日でしたが、最寄り駅から工場へ向かうマイクロバスは満席。運転席のラジオから朝のニュースがかすかに聞こえてくるだけで、口を開く人は誰一人いません。何でも日本語検定の試験日で、外国人の工員がごっそり休んだ穴を派遣労働者で埋めるとのこと。場内の掲示物全てがベトナム語との併記になっています。少数の中国人とフィリピン人を除いて、工員の7、8割がベトナム人だからです。各セクションのリーダーも、日本語がある程度できるようになったベトナム人が担っています。厚労省によると、外国人労働者数は去年108万人と過去最高を更新し、中国人に次いでベトナム人が多いのですが、伸び率はベトナム人が1位。日本人はといえば、事務所内と工場では監督、そして、外国人労働者の不足を補填する派遣といった具合です。この企業のホームページには高卒で19万、大卒で22万円が初任給と。社員は営業や管理、商品開発などに当たり、工場での単純労働は最初の研修時だけのようです。工場の現業職でもベトナム人は日本へ出稼ぎに来ることで5倍ほどの収入になりますが、自宅も家族も日本にという日本人にとっても時給は1,000円ポッキリ。手練れの日本人女性が新入りの派遣を罵倒しています。1分もかからない作業手順の説明を怠っているからなのですが、きっとこの人はかつかつの生活で、人生おもしろくないことばかりなのだろうなと想像してしまいます。
 始業は午前9時。小生の場合、最初の1時間は天板に食材を並べ、タレを塗って、オーブンに入れる作業。その後2時間半は、オーブンから出てきた天板を食洗機にかけ、タレと油のこびりつきを手洗いで落とします。場内の移動に時間がかかり正味45分になった昼食休憩後は、話に聞いていた弁当ラインに6時までつきました。幸い便意はもよおしませんでしたが、空になったバットを取り替えたり、規定通りにとやり直したりすると、その間にもベルトコンベアは容赦なく流れて行ってしまい、パニックに陥ります。若い頃、炎天下の甲子園球場で高校野球を1日4試合取材した日々を結構ハードだったと記憶していますが、今回はそれ以上に過酷な仕事でした。野球は点差が開けば逆転のチャンスが来るまで、ちょっと気を抜いていても問題ありません。1点を争う緊迫した試合でも、イニングの合間には隣の仕事仲間と雑談くらいし、一試合終われば一服もできたものでした。また、選手の特徴やチームの戦績を頭に入れておけば、集中力や体力の配分もできました。しかし、機械に合わせなければならない食品工場は、そうした要領が一切使えず、正にロボットになった気分です。On my way back
 送迎バスを降り、駅までの高架下を歩きながら、あれこれ思いました(写真)。「労働者の健康と志気、製品の品質管理のためにも90分毎くらいに小休止を入れるべきだ。ラインを止めたり、交代を用意したりすると競争に負け、受注できなくなるのかな?あれだけ多くのベトナム人が単純労働しているけど、週28時間以内か日本人と結婚した人たちなのだろうか?そもそも二国間の経済格差を利用しての労働力調達も、本人たちの自由意志とはいえ、不条理を感じる。さっき作った弁当は今日の日当で20食も買えるじゃないか。そこまでダンピングしなくてはならない?たとえ弁当が100円高くなっても、栄養失調や餓死者は出ず、不買運動も起こらないだろうに。……。……」。ことほどさように非正規雇用の厳しい現場をヘロヘロになりながら感じた体験でした。(しんぼー)
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テーマ:働き方 - ジャンル:就職・お仕事

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